渡るネットは嘘ばかり

元文系、米国大学院CS修士号持ちITエンジニア。自称エンジニアが撒き散らすゴミを少しでもキレイにしたい

フリーランスエンジニアに夢を見るのは止めないか?

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freeeeeeë!!!

いやぁ、コロナ禍ではあれな人があぶり出されててすごいですね。人が集まったりマスク付けない人がいるだけでウイルスが発生すると思ってるような発言も出たり。
1000万人集まろうが罹患してる人が含まれなければ感染するわけないわけで。マスクしようがしまいが、飛沫の届かない距離で換気されてれば感染するわけないわけで(接触感染はほぼないという話)。特に屋外でかなり離れて嫌な顔してくる人とか、ああ、ある意味これが噂の無症状の後遺症か、的な(いや、むしろ未感染でも後遺症)。情報開示情報開示と言うけど、情報を理解できない人が情報にまみれると奇行に走るのはよくわかったのでは。そもそも5行以上の長文を理解できない日本人だらけと言われている現代、情報を渡せば良い、と考えてもダメですね。全員発信者時代は2次情報でもう情報歪みまくるという。1次情報食べてうんこのようなものを撒き散らす人の多さよ…。

リスク高い人が既にほぼワクチン接種済みで未だに常時マスクして何を守ってるんですかね。「自衛できないから、みんなでかからないうつさない」、は理解できても、自衛できるようになっても自分を守ってくれ、という親離れできない自宅に寄生するアダルトチルドレンみたいな主張する人達はホントにとほほです。重症化しない、死なないならもうよくないかい?あとはワクチンを体質的に打てないかつ重症化リスクの高い人を守れるような社会を作って行くべきで、車椅子の人がいるから階段は全て無くせ、と主張するようなやり過ぎの空気感ですね。法的根拠もなく、他人に行動を求めて守るのが当たり前、という社会は結構やばいと思う僕のほうがやばいのでしょうか?この国は法治国家で民主主義国家だったんじゃないっけ?しかも、陽性者30人以下、陽性率0.5%以下とか、症状ありと濃厚接触中心に検査してると思うけど、それでもこれって、もはやほとんどが偽陽性なのでは?と感じてしまう。

そしてウイルス自体が自滅に向かってるという話も出てきてますが専門家は仕事を求め第六波を熱望するという。完全にウイルスよりあれな人の方がよっぽど怖いです。ありがとうございます。


はい、今回のネタ元は2021年9月に警察官上がりで4ヶ月でフリーランスの仕事を取って、自分がフリーエンジニア(ママ)になった方法を情報商材で売ろうとしてたら、退職理由嘘ついて辞められた経営者が出てきたというコントですね。

正直なんで「フリーランスすげえ」、みたいな世の中になってるのか疑問で、ちょっとフリーランスやってた自分も過去を振り返ってみよう、という話。フリーランスなんて働き方の1種類に過ぎなくて、トレードオフ的に収入が大きくなってるだけの形態であって、エンジニアを長く続けていきたいと思う人の大半にとってはデメリットの方が大きいと思いますけどね。まぁ、煽ってる人達はかじって一時的に稼いで逃げようとしてるだけな気がするけどさ。

ほとんどのフリーランスエンジニアは派遣やSESエンジニアの業務委託版

まず、最初に夢も希望もない話をするとフリーランスで1000万達成、みたいなことを言ってる人の大半が実態として間に挟まる会社を省いて直接契約してるだけで派遣やSESと扱いや仕事がほとんど変わらないだろう、ということです。簡単に言うと、独り立ちした派遣エンジニアもしくはSES社員エンジニア、みたいなものです。週5で出社して(今はリモートだろうけど)、8時間は働くか月の時間契約の範囲を満たすだけ働く感じかと。8割はそうなのでは。大半のインフルエンサーやYouTuberがここに入りそう。やってることは派遣とほとんど変わらない。時間自由とか誘ってるアフィリエイトいっぱいありそうですが、実際は社員と変わらない仕事が多いです。だって、基本的にお金の動く規模の案件はチームで働くんだから。

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freelance.levtech.jp

こちらレバテックトップの情報ですが、リモート可の案件もほとんどが開くと一部リモートですね。基本情報として「勤務地」が出てるのはコロナ前には客先常駐が普通だったのもあるのかな、と。そして、落ち着いたら戻るとこも多そう。また詳細に精算基準時間とあり、時間の枠での契約が多く、これは大半が20日x8時間の160時間を中心にマージンを取ってる感じです。最低稼働週5も多いですね。結局SESと変わらない状態です(社員もリモートな会社はリモートになるだけで)。

この辺の案件は本人達は忙しいからスキルついてる気がするかもですが、平均的なエンジニアができる仕事を量こなしてるだけで、実力で言うと外部のエンジニア入れてない(外部の方がレベルが低いのに正社員の給料の方が安い状況ができてしまう会社)かほとんど入れてない会社の社員より技術力は低い可能性が高いと思って良いでしょう。できないと思われたら1ヶ月社員がやりたくない単純な仕事を大量に振られて契約終了の可能性もありそう。僕のいた現場では1週間で消えたフリーランスも何人かいました。技術的な話で、5段階の難易度の3を高速でこなせても上の難易度の問題解決ができるようになるわけではないのですよね。レベル18でスライム殴り続けてる感じ。

難易度1=>2は基礎構文から、フレームワークを自在に、とかであり得るかもしれないけど・・・いや基礎構文書きまくってもフレームワーク理解するの厳しいか。炎上案件で馬車馬のように働いて力が付くのはスライムでレベルが上がるうちだけです。炎上案件はカンダタパンイチアリアハンに襲いかかって来たわけではない。そもそも、炎上させないようにプロジェクトを回すのが最善で、炎上してるところでできるのは火消しだけです。火消しと火事を起こさないことは別の話です。炎上する時点で構成してる人間のレベルに疑義が・・・。ダメな現場で継ぎ接ぎだらけのコードでも優越感は感じられるかも知れませんが、かつて井の中の蛙だった自分を見るようで恥ずかしい話。

上のレベルに上がると技術的にも専門性が求められます。数学の割合も増えてくる。自由に好きなこと(難易度高めの挑戦できる面白い仕事)だけやって高収入とは程遠いでしょうね。仕事は選べるかも知れませんが、取引先も任す相手を選ぶので、自分がやったことのあることしか任されないのが現実では。成長を望んで挑戦の気持ちで選ぶような仕事では経験不足として選ばれないでしょう。高いお金出してフリーランスに未経験のことをやらせたいですか?という話ですね。もしYesと答えるマネージャや社長のいる会社で働いていたら今すぐ辞めた方が良いです。新しいことに挑戦したい人は正社員の方が良いでしょう。

また1割は知人の会社と契約してたり、コネとか身内的な立場で仕事を取ってる人ですね。これは「社長が役員に奥さんを雇って、誰でもできる仕事で高額報酬を与えてる」という状況と同じなので、そんなもの目指しても意味ないです。スポンサー探すような話。そんな人がいっぱいいたら会社傾きます。まぁ、たいてい黒い人間が黒い人間と組んで儲かってるフリしてるようなMLM的手法ですね。もしくは人たらしだけが選べる方法。

本当にフリーランスと呼べるのは残りの1割未満な気がします。こちらは専門性で戦っていて、複数の会社から声をかけられて、短い期間で結果を出したり助言をしたりするコンサルの技術に特化したようなイメージが多そうです。もしくは研究で参加するとか、顧問的な位置でプロジェクトに入るとか。あとは講演依頼とか執筆を中心にプロジェクトの立ち上げ時期にお手伝いするとか?というか、下手するとこの辺の層は普通に外部取締役で入ったり、アドバイザーに当たる位置で会社に属してたりしてもおかしくないような。

最後のをイメージしてフリーランスを目指したいならわかるけど、「替えがきくような仕事で給料がいい」のポジションを目指してる人が多そうで謎過ぎです。実は結構将来ジリ貧だと思うけどね。企業側はそんな人に高額出したくないだろうし、替えがきくならあなたでなくても良いので、安い人を選んで価格破壊が起きたり、見た目で選ばれてもおかしくない。将来は高校から情報教育受けた素養とセンスだけの文系若手にも突き上げられたり。

結局、フリーランス経験ある人間がよく考えると、実は中抜きがないだけで派遣と変わらなくない?むしろ、今は派遣でも福利厚生あるけど、それもないんだよね?というやつ。国保クソ高いし。

フリーランスの報酬、派遣の報酬

何故派遣と変わらないと言えるのかを数字を見ていきましょう。

マージン率はだいたい30〜33%くらいが多いように思います。これで計算すると派遣相当フリーランスが全然すごくないことがわかる。
僕は給料体制おかしいSESで2年目だか3年目で600〜700万弱稼いでいたんですが、年棒制だと考えると(実際は正社員だし賞与と結構な残業代含まれるから比較若干おかしいけど)、月54万で年648万円です。
一旦33%として、それを抜いたのを100%に戻すと、648 / 67 * 100 = 967万です。残業代出るとこ(多分、時間契約で超過まで行くと出る)なら1000万超える。56万(年収672万)にすると1000万超える。なので、3〜4年でフリーランスで1000万稼いだ、というのはクライアントの企業側からSES社員や派遣に出してる額と変わってなくて、中抜き分が足されてるだけなのが現実です。つまり、仕事を依頼する側からすると1000万のフリーランスは672万の派遣やSES社員と同じレベルの価値と同じということですね。IT派遣3ヶ月だけやった時、確か時給3500円だったので、3500*160*12=672万です。SESは会社に所属してるものの派遣のようなものなのもご存知の通り。昔は一流のエンジニアは人月100万みたいなことを言われたりしてたけど、1000万フリーランスとドヤってる人の現実は人月83万程度(56万/67%*100%)なので、"レベルが高いとは言い難いSI業界での一流"の基準にだいぶ満たないお金で雇われてる人だったりする。相場は業界にもよるとは思いますが。SI業界は高めな気がする。枯れた技術中心なのに案件が大きめで大企業が新人の人月で不要な機能も盛りまくるという世界。なので、お金を優先すると更に最先端の技術から遠ざかって炎上の可能性も上がるという。

悲しいことに、俺1000万も稼いでるんだぜ!ってドヤ顔の人が中級レベルの技術者と話したら全然ついていけずに「ダメだこりゃ」と鼻で笑われる、とかも普通でしょうね。技術のない技術者は何者?というやつ。会社員だと給料泥棒、と言われるやつ。例えば情報商材で成り上がった人は大企業どころか中小企業の経営層と全く会話ができなくていつまでも商材屋とその信者ばかりが周りにいたり。それと同じような末路です。お金しか物差しがない心まで貧しい人達だけのヒーローから上には上がれない気がする。まぁ、お金はあるに越したことはないけど、本来は目的でなく手段なのでお金だけで幸せになれる人も、満足できる人も少ないわけで。お金だけを追う人生は一生乾いた喉が潤わない人生みたいに感じます。

で、件の4ヶ月で40〜50万のフリーランス案件の人は40 * 0.67 = 26.8, 50 * 0.67 = 33.5万なので、4ヶ月が経歴盛って雇われたらありうるレベルかやや高い程度になるのかな。SESはマージン率高めっぽいので、そこ調整したら妥当かもですが、どっちかというとフリーランスと社員の給料のギャップは経験少ない方が大きいかも知れない。当然、経験少ないとバグ出したり納期に間に合わずに地雷踏む可能性も大きいわけで。

とどのつまり、雇う側とかからするとフリーランスエンジニアがすごいから多く払ってるわけでもなくて、同じ額で雇って、払った先のお金の流れが違うだけだったりするんですよね。とはいえ、トラブルが増えてくると当然責任を取れる方に頼みたいわけで、低レベルフリーランスエンジニアの増加は案件の減少に繋がってしまうのが現実でしょう。仕事を奪い合う敵が増えながら、パイが減って単価も下がるようなジリ貧が待っていてもおかしくない。あとね、普通に考えよう。大半の会社が外部委託で出せる単金は100万位で頭打ちです。それ以上出すなら雇った方が良いのでは?大企業SIerに200万/人とか出してる会社は早急に内製化した方が良いです。もしくは120万出すなら、80万+40万の2人の方が効率はいいかも知れない。フリーランスで軽い仕事やって2000万の夢とか雇う側を無視した話で、できる人の多い仕事で2000万=月167万出すなら80万を2人雇うのがまともな会社ですね。人間は仮想並列化でリソース分け合うより実際にリソースフルで並列化したほうが絶対良い(167万の人しか解けない問題は除く)。簡単な仕事に慣れたとして2倍の速さでやったら失敗する可能性も上がるという。

フリーランスと派遣の大きな違い

派遣では派遣元、派遣先両方に一定の報告義務が発生すると思います。その代わり、それを元に事務作業をやってくれて、源泉徴収や福利厚生もあるところが多いのでは?

何より大きな違いとして、過失があった際の責任です。

派遣会社についても、自社の従業員である派遣社員が、派遣先に対して業務上損害を与えた場合は、使用者責任のルールにより、派遣会社が派遣先に対して損害賠償責任を負担することになります。


派遣で故意でない過失で損害を発生させた場合、基本的には派遣元が責任を取るでしょう。故意であっても、そもそもが企業レベルの損失の額を一個人が払えるケースは少ないので、使用者がいる場合は負担が発生するでしょう。

では、フリーランスの場合はどうでしょうか?言うまでもないですね。
そして、経験の少ない人の方が過失は起こしやすい。というか、バグの無いプログラムはほぼないので、大きな地雷を踏むかの違いかも知れません。一種のギャンブルみたいなものに思えますね。最近はフリーランス保険あるみたいだから、最低限入った方が良い。

この訴訟の例だと上限の500万保証が出ても1500万以上被ります。本当にクリティカルなバグはそうそうでないとはいえ(年に数回はやばめのニュース見る気がするけど)自分の関わった案件でバグ出た事ある人(おそらくほとんどの人)はゾッとする話ですね。

また、年金や退職金、雇用保険などもあれなので、将来の蓄えや有事の際の貯金はちゃんとしないとやばいですね。そう考えるとフリーランスの多く稼げた分の一部は結局使えずに積んでおく必要があるかも知れない。仕事も一ヶ月丸ごと空かないにしても、繋ぎ目に隙間があると収入は当然目減りします。経費で一番計上しやすいのは事務所費なので、なるべく良いところに住むのが節税になったりしますが、間空いたら白髪増えそうな精神状態になりそう。そして収入が満額でないと過去の高報酬を家賃に吐き出すという。

エージェントを経由した場合ですが、エージェントは仕事を仲介する、一部の事務作業を請け負うことの報酬を受け取っているだけで、問題が起きても雇用契約はないので、賠償時の使用者責任は発生しないでしょう。つまり守ってくれない。フリーランスエンジニアエージェントって、すごく楽で報酬のいい仕事ですね。そりゃアフィリエイト打ちまくるわけだ。責任取らずにフリーランスエンジニアの手伝い(仲介と慣れると簡単な事務作業)だけして高額マージン抜けるとか・・・。リスクは少ないというか、フリーランスエンジニアがリスクを背負って金を運んできてくれる。まさに鴨ネギシステム。

しかし、出てくるエンジニアもほとんどが金目当てで盛ってる人も多いだろうに、エージェント経由でエンジニア入れる会社の感覚がわからない。まぁ、大きめのIT企業の関連会社とかが多いのかなぁ・・・。

何を目指してフリーになりたいのか

自分が専門性で最先端を行っているならフリーランスはすごく良いと思います。あなたに話を聞きたい人が列をなして、書籍を出したりセミナーをしつつ、研究に没頭したり楽しいことだけして生きれるかも知れません。個人的にそのポジションなら博士課程に行きつつ仕事受けたりするのでは、という感じも。もしくは医学とか別の領域で大学通ったりも専門性を広げて特別な人材になれるかも知れない。まぁ、扱えるお金は企業に属したほうが大きくなるかもですが。

専門性で勝負できない人は、「お金を稼ぎたいだけ」ならフリーランスは一つの選択肢です。半人前の技術力で1000万稼げる。それと引き換えに、大きな負債を背負うリスクもありますが。同時に、そこで自分のキャリアが足踏みする可能性が高いことを覚悟すべきです。正社員であればまっとうな会社は社員の成長に投資しますし、挑戦を後押しして責任を取ってくれます。が、フリーランスは自分の責任で働き、成長のための諸々はプライベートの時間を削るしかありません。結果、時給換算してみたら高収入でなくなることもありうるかもですね。今は基本リモートなので、フリーランス以外でも変わらないところ多いですね。特にスタートアップ系ではリモートは元々普通。

後者のメリットはお金。デメリットは「高収入を保ちつつ"自由に"働くためにはプライベートの時間を削られる」「高収入の代わりに企業負担がなくなり保険負担が増え、年金受給額が減る」「ミスの場合に個人レベルでは再起不能な賠償請求の可能性がある」。それでも自分にとってお金が価値があるなら良いでしょう。しかし、まずいミスで責任を取る必要が出たら、稼いだお金以上を失うでしょう。あなたを守る人はいません。保険の範囲でカバーできればラッキー。そして自由のために自由な時間を割かれるという矛盾。なので、自由はメリットに入れていません。一体、フリーランスの自由とは何を指すのか。不安も社員より大きいでしょうね、まともな神経してたら。

個人的には本当の自由を手に入れられるとしたら突き抜けてから、だと思っているので、そこまでの努力ができない人は素直に正社員やっていた方がよいでしょう。会社を選んで真面目に楽しく働いていたら600万超えは簡単なのがIT企業です。自分が成長すれば給料も上がります。フリーランスは実力以上の報酬をもらってる事が多い(リスク分)ので、スタート地点が実際より上な分、頭打ちが早く成長しても下手したら社員のようには昇給しないよ、という。なので、スキル磨くよりトーク磨いちゃいそう。スキルシートの盛り方とかね。

また、時間に自由と言おうとしても会社員の有給の日数って結構すごいですよね。3年も働けば、転職前に1ヶ月休めるだけの有給あったり、傷病休暇とかも。フリーランスエンジニア時代、大型連休が原因で契約時間の関係上、残業が必須になったりとか実は結構あったんですよ。育休3ヶ月とかもフリーランスエンジニアには当然ないですね。独り身でないとかなりデメリットは膨らむ。「フリーランスだから、自由!子供産まれても空き時間で」とか言っても正社員は育休で休みでも育児休業給付金である程度の収入は保証されます。

フリーランスやばくない?

最近、機会があり、フリーランスと思われる人の経歴書を見たんですが、嘘でしょ?という感じでした。
同時並列数半端なく分身してないと無理じゃない?という、まともな見積もりできる人は一瞬で首を傾げるあれでした。3ヶ月の内に大きめに見える(システム全体の機能の説明で盛ってるかも…というか、機能を立案したような表現が大量にあるのはなぜ)案件の要件から始まってテスト終わらせて運用保守までが複数って・・・。未だにウォーターフォールベースのフォーマットなのがもうあれですが。期間的に既存コードに小さな機能改修するだけなのにシステム全体を開発対象のような説明にしたり、機能の詳細詰めるのを要件定義と言ったりで全工程と盛ったのかねぇ。

しかし現場変わるとなると環境構築から既存コードの理解も含め、普通は簡単な改修案件からなじませて大きめの案件という流れが多い気がします。というか、いきなり外部の人に受託とはいえ大きめの案件任すリスクって・・・。クライアントの実名出てるやつは作ったはずのアプリが見つからなかったり、リンク切れやら動画見れないの連発で。スマホゲーム開発の大型案件って、結構すごい人数で作るんですが、わかってなさそう。それで100万超えの単金を要求という。

というか、日本語職務経歴書とかスキルシートってやばいですね。幾らでも盛れる。英語レジュメはA4を1枚、多くて2枚で全部の情報入れられるようにクライアントや勤務先毎に仕事での経験や使える技術を簡潔に書くのですが。「こんな会社のこういう案件で〜」みたいなのを大量に並べると経験が多く見えるかも知れませんが、要素技術に落とし込むとほとんどがまとめられて数行になるでしょう。あとは増やせば架空の案件も調べるのが面倒で気づかれないと思ってるのかも。

個人的には専門性の高い仕事に関して、大学院とかで専攻してたり、業務で段階踏んで学んでたりしない人に高額で任すのは考えられないですねぇ。情報理論学んでいない人間が独自暗号化とかアピールでなく恐怖にしかならない。証明可能安全性の担保とか絶対ないですよね。専門的に学んでない"外部の個人"が作った独自暗号を組み込んだシステムや製品がセキュアだと言うのは会社自体が既にセキュアでないと思う。中身を理解してないコピペコードが出てくる可能性もかなり高そう。スキルシート詐欺に関しては、日本語でも良いから英語レジュメ形式でA4を1枚程度に情報をまとめてもらうのが効果的だと思います。実際使った技術なんて10年とかの経験でもA4でまとまる量しかないでしょう。同時に簡単なコーディングテストでもすれば良い気がします。コストわからないけど、フリーランスの入場でもコーディングテスト入れたらなお良い。HackerRank的なので金額ごとに難易度変えて用意しておけば使いまわしきくし(ただし、問題の流出は気をつけないといけない)。もしくはどこまで解けたらいくらという基準にするとか。100万超えが現場で使えない、だと洒落にならない気が。1日でも契約解除できる条件付けないと危険としか思えない。

また、コンテキストスイッチは効率を落とします。人の思考のスタックへのpush/popは時間がかかるのです。同時並行で作業をすると質も量も落ちるのが現実です。同時に複数案件と言っても並列でなく並行で結局ラウンドロビンだろうしねぇ。右手で丸を左手で四角を書くことすら難しいのに、同時に2つの案件が進むことはないし、進んだら、それはその人がいなくても進むのでは、という話。

フリーランスを薦めまくるカラク

若干、ここまで書いてて気づいたのと、これまで思ってたことを混ぜた感じなので、過去の記事と内容かぶるかもですが・・・。

フリーランスエンジニアを煽る記事も結構多いのですが、この人達は基本的にアフィリエイトを貼ってると思います。大半がフリーランスエージェントかプログラミングスクールでしょう。この人達は基本的に楽に稼いぎたい人で、アフィリエイト収入が記事を書く目的の中心なんでしょうね。自由に高収入と煽ってフリーランスエンジニアやってるのに、ブログに技術的に学びのない文章を書く時間を割くのは自由な時間を減らすわけで、この人達の主義に反します。ポリシーに沿うなら金に繋がるから、以外ないですね。僕はネットや社会の健全化のためだけに記事を書いてるので、アフィリエイトとか全く貼ってません。・・・と言いつつ、自分の時間は自分の成長と自分を含む手の届く人の幸せになるべく使いたいのでかなりの筆不精という。あとは、記事を書くことで思考を整理したりというのもあるかも。

フリーランスで時間とお金を手に入れた」的なこと言ってる人が競合を増やすような記事書いて「現役会社員エンジニアがフリーランスエンジニアやめとけというのはお金への嫉妬とか自分の仕事を奪われたくないから」とか言ってる。この人達が"楽に稼げる"フリーランスエンジニアお薦め記事をわざわざ手に入れた自由な時間で知らない人向けに書いてるのはおかしい、と感じないのはちょっとピュア過ぎます。奪われるのは正社員でなく同業のあなたの仕事、なのです。アフィリエイターの半分は実際フリーランスエンジニアで稼いでいなくてもおかしくない。過去のSESの経験だけで書けるような内容の記事も多いのです。また、煽り記事はフリーランス側からの視点ばかりなので、それをフリーランスを雇う現場側の立場で読んでみると良いと思います。大半、こんな奴来て欲しくない、フリーランスを儲けさせる目的で雇うわけじゃないんだが、という気分になると思います。

結局、お金のために書いてる人は実際は読者のために記事を書いているのではなく自分の収入のために書いてるわけで。不確かな情報で煽るし、時に情報商材に繋がったり。まぁ、ウシジマくんのフリーエージェントくんでわかる通り平気で嘘もつきます。大半がアフィリエイトの為に記事を書いていることは理解を。普通に考えて、時間と高収入を手にして、それでも成長に繋がらないブログ(アフィリエイト)を毎日書かないといけない人生楽しいか?と。乾いて乾いて仕方ないのでしょう。稼いでる稼いでる言って必死でブログで嘘書きまくって商材売る人と構図一緒なのになんでフリーランスエンジニア名乗ると信じちゃうのか...。

そして、その裏にフリーランスエージェントがいます。アフィリエイトのお金を払ってる人ですね。何故お金を払うかってそれ以上に儲かるからですよね。特にフリーランスエージェントって、派遣と違って使用者責任がないわけです。マージンが低いのはそういうのもあるでしょう。リスクがほとんどなく稼げるとなると、中抜きできる人数をできるだけ増やしたいわけで。これがフリーランスエンジニアブームを仕掛けた人達の真相で、そこでアフィリエイトで稼ごうとした人達が国が働き方改革とか言ってるのを利用したりして作ったムーブメントでしょうね。

そんな利害の一致があって、ネットビジネス系(商材屋とかあやしい系)フリーランスエンジニアが頑張ってしまっているのが現状で、犠牲になるのは技術で食べていきたいと思ってフリーランスエンジニアを目指す人達という。そこそこ真面目だけど自分で考えられない人が一番痛い目を見るのです。

個人的な意見

フリーランスから戻った人間の意見としては、不安少なく会社員の方が楽しく働けてる、というのが現実ですね。

楽しく働きたい・新しい技術に挑戦したい人は正社員、用心深さがあってお金の為に働きたい人はフリーランスエンジニアでよいのでは?という感じで、どっちがすごいとかないですよね。ただの契約の違い。人生に何を重きを置くか。しかし、仕事時間で勉強できる正社員の方が技術に貪欲で、フリーランスを目指すタイプの人は独学しなきゃなのに勉強があまり好きじゃないという。また、後者の方が自律して自分の仕事に責任を持てる人がなるべき(じゃないと事故ったら社会的に死ぬ)なのに、後者は楽に稼ぎたいとか自由に気楽に働きたい、という人の割合が高い。そんなねじれ現象が色々あって、ちょっとおかしな状況ですね。特に、早くフリーランスになって稼ぎたい系の人はネットビジネスを徘徊する流れ(詐欺まがいで禁止や規制かかったり稼げなくなって他のネットビジネスに流れるやつ)の一つとしてエンジニアをかじって終わる気がしないでもない。そこそこの割合がそこから商材売りになりそう。実際のフリーランスエンジニアの大半は君たちの想像してる憧れの職種でなく「自分の身を自分で守らないといけない派遣」みたいなポジションなんだけどね、という。

あとね、未だに日本の大企業には”起業”とか”フリーランス”をやる人間は協調性のない、チームで作業をしたくないかできない人間だ、と決めつける古い人が一定数いるわけです。職務経歴書と履歴書でその人の人格とか思考がわかる、って神か、という感じだし、それならもう面接要らなくない?という。カルチャー合わないの判断って意味不明ですよね。出してる情報で合うと思って応募してるのに。僕とか、大学院の学費を自分で払っていたので、少しでも収入源を作るために個人の行動に責任を取ろうと法人登記したり、家族の問題で一時帰国していた時に取引先に望まれてフリーランスをしたり、その時にベストな雇用形態で働いてただけで、いつもチームで働いてますし、協調性を持って働くことに抵抗があるわけじゃないです。そういう決めつけをする人は直接話して聞こうともしなかったりします。そういう人が人事に関わる不幸な会社は通用する人すら門前払いするわけで、フリーランス経験後に会社員として働くのは入り口が狭くなるのは覚悟した方がいいし、案件が簡単に取れるとしても再就職簡単と勘違いしないほうが良い。ダメならすぐ切ればいい、というフリーランス労働基準法で守られてなかなか辞めさせられない会社員は違うのです。

本当にITの世界で生きたくて畑違いの人は数年フリーランスを注意深くやって貯金して学費を貯めて、大学(可能なら海外も視野に入れて大学院)でコンピューターサイエンス専攻してひとつ上のカテゴリに入るのもありがと思います。というか、そういう目的でフリーランスを一時的にやるのは大賛成。このプロセスを経ると同じ水準の収入を会社員で、という選択肢が出てくる。経験上、業務経験ある状態で大学に行くと実装課題ではだいぶメリットになるし、将来どう活かせるかもイメージつけながら学べます。

そうでなく長期的にやるなら同じようなフリーランス志向で会社作って、自分の売上はほとんど保証した上で安心安全に働いた方が良い気がする。というか、SES時代の取引先でそれやった人達いました。1人のフリーランスとして税理士や事務の手伝い付けるのはコスト的にもメリットを削ることになるけど、10人とかで雇えば負担はだいぶなくなるわけですね。面倒な事務作業は任せて、社会保障も確保した上で仕事に集中して高収入が見込める。

繰り返しますが、個人的に新しいことに挑戦して、知識やできることが増えて、面白い仕事を遊ぶようにやって稼ぎたい人はフリーランスエンジニアを目指すより、外資の世界トップ企業で働くことを目指して技術を学んだり、勉強会や時にはアカデミアを行き来したりしつつ、3年毎位に転職をして、最終的に年収1500万とか2000万を目指すのが良いと思います。ただし、これは理系専攻大卒が求められることが多い。それか将来有望なスタートアップでキャピタルゲイン目指すか。コンピューターサイエンスや数学の基礎がない人がフリーランスエンジニアだけで目指せる頭打ちは1200万位(かなり奇跡的な瞬間最大風速)でしょう。そして、素養のある人が増えていくので、努力を続けないとそこから徐々に減っていくという感じで、最終的に1000万位が上限で落ち着くのでは。日本人は年齢で人を判断する悪い癖があるので、加齢でも単価下がりかねない。目先以外の将来のお金も自分でなんとかしないといけないので実感(実際自由に動かせるお金)はだいぶ少ないと思う。そりゃ、面倒な事務処理をやってくれる人も電話番も法務や経理を見る人も教育係もなく、社会保障も全く持ってくれないなら報酬が高くなるのは当たり前です。会社では実際フリーになって乗る収入以上のコストかけて社員のケアしてるわけで。そして、社会は雇用を通して老後のための仕組みを作ってる。極力コストをかけないスタートアップでもそういうコストをかけてるのはそれが社員が不安なくモチベーション高くパフォーマンスを発揮してQoLを保つのに大事だからなわけです。なにより、尊敬できるエンジニア、盗める技術を持ってるエンジニアがいることは成長にすごい大事で、フリーで変な現場と契約すると数ヶ月間不規則行動エンジニアの中でエンジニアキャリアが森の中をさまようようなことになりかねない。

個人的に最も残念なのは、本来楽しく稼げる方を目指した方が良い純粋に技術を楽しめる人達が目先のお金に惑わされて道を見失いかねないことでしょうね・・・。

あとがき

しかし、「お金」だけを目的に頑張れる人ってすごいですよね。なんか、僕は毎日楽しいを仕事に楽しく働きながら、休みの日はその稼ぎの中(平均年収よりだいぶ上ですが)でやれることを全力で楽しんで生きてるので、仕事の時間も楽しくできることが多いし、それがダメになる頃にはたいてい転職するわけです。だって、平日は仕事の時間が一番長いので、そこを楽しむのは日々を楽しくする最良の作戦なのでは。人生を豊かにしたいなら、楽しくない高収入の仕事を必死でやるより、日々の仕事を楽しくした方が良いと思う。20代で瞬間最大風速で周りより高い報酬を得ても、その後の人生が消化試合になりかねない。一時的な高収入で生活水準を上げてしまうと、その先は沼です。生活を保つために人を騙す人生になる。

と言いつつ、自分はフリーランス時代はよくあんな安い報酬で働いてたなぁ、と思ったりもします。
将来のこと考えるならフリーランスで1000万は全然足りないです。単純な人はマージンは全て会社の利益と思いがちですが、2/3は自分の将来のためのお金でしょう。将来大きくなって返ってくる老後に困窮しないためのお金を前借りしてるから報酬が高い、とも言えるわけで。早死にが決まってるなら良いかも知れませんが、長生きして身体が自由に動かないけど貯蓄がないとか地獄ですね。

フリーランスに関して思うのは多少報酬が減ってもフリーランスの法整備が進んで、最低限のリスク回避の仕組みができればフリーランスが当たり前の社会になってくるのかな、という感じですね。それには程遠いし、会社が保険料の半分を負担したり、というような仕組みがある以上、働き方改革として、本当の意味で働き方を自由に選べるようにするには社会保障の仕組みを根本的に見直さないと難しいのでは?と思います。現状では結構博打に近く、よっぽど先のことを準備できる人でなければ長く続けるものではないと感じる。

プログラミングという楽しいアクティビティを純粋に楽しんで人生が豊かになる人が増えることを切に願います。社員と会社が一緒に成長できて、給料も伴うような会社に皆様が出会えることを願ってます。エンジニアを利用して、不幸な人を生み出して金儲けするのは止めて欲しいですね。ただね、もう頭を使わずに詐欺まがいのグレーゾーンインフルエンサーを盲信しちゃう人に手を差し伸べても無駄だと思ってます。

3000字くらいで仕上がりそうだったのに結局盛り盛りというね。
今回も最後までお付き合い頂いた皆様、ありがとうございました。他で技術系情報発信に時間を使う(1日1ポスト目指す)と思うので、また忘れられかけたころに何か書くかもですね。